テーマ:日常

詩誌『回生』第あ号(通巻第37号)に関するお知らせ

詩誌『回生』第あ号(通巻第37号) 5月20日付けで発行中です。  回生を置いている場所   ・恵文社一乗寺店(京都)   ・小宮山書店(東京神保町)   ・アトリエハナコ(東京日本橋)   ・パソコンパーツショップ「ガレージコム」(群馬県前橋市富士見村)   ・セーブオン時沢店(群…
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やさしい雨の記憶を

誰かが夜に隠していた 真夜中のタクトを そっとスィングしたのさ ほら もうこんなに 淡い夜の風が流れ始めている うっとうしいって いつも煙たがられる雨も その手にかかれば素敵な雨 しっとりとしっとりと まるでうれし涙のような 真珠のピアノの音になる 惚れっぽい 水際の蛙たちが そんな雨に恋焦がれ…
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あじさいまつり

しとしとあめの たいこのあさに よちよちあるきの あのこがわらう ちっちゃいおてての うちわひらひら あめよ わっしょい あじさいそーりゃ あめよ わっしょい あじさいそーりゃ ひらきはじめた あじさいのはな あめににぎわう あじさいのいろ
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アキノソララ・アキノカゼ

どこを切り取っても 一色の空であります どこまで見渡しても 一枚の空であります アキノソラララ アキノカゼ 真っ青な空の間を 流れるように やって来タタタ 金木犀の香りが走り始めます アキノソラララ アキノカゼ 今日の昼下がりは ともだち日和 自転車の後ろに 大きく 大きく 秋の…
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単純な手紙

                                                                    . 今までで一番 楽しかったことはなんですか 僕の中で一番 楽しかったことは 一番淋しかった時に 淋しかった君と出会えたこと 遠く離れていても 目を閉じればすぐに会える …
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深呼吸の風

あなたの暮らす町の方角から 風鈴の音がしてくる 少ししか会えない日も たくさん会える日も いつも空は 深呼吸の風を運んでくれる 朝起きて 昼を過ぎて そしてまた瞳を閉じる夜になる 太陽も 雲も 月も星も 留まることなく明日に流れてゆく あなたもわたしも 同じように一日を流れて 途切れない空の…
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猫のあくび

梅雨空に濡れている 紫陽花の紫を 雨の音が聴かせてくれる この間まで地面だった 田んぼに水は行き渡り 蛙の声がしている 道沿いに咲く紫陽花を ありのままの順番で さかさまに映している 今日は雨なのに ありったけの昼の光を吸って そこだけ 晴れのように光っている 通りがかりの猫が 小雨のガレージ…
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早く君にも見せてあげたい

踏み切りの向こうを 三両編成の電車が行った まばらな人影を乗せて 銀色の電車は 各駅停車を繰り返しながら やがて終着駅へと辿りつく 桜の花を ゆっくりと見つめるなら 鈍行電車がいい 窓の外から降ってくる さやさやと光る 風の花びら 車内に降りてくる 花びらたちは 座席の上に腰かけて 流れる春…
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余白

いつか君のために 残しておきたいもの 僕は何にも残せないから お気に入りのノートの 最後の最後のページに そっと余白を残しておくよ 君は気づいてくれるだろうか 気づかないままだろうか ましろということは どこまでも ふかいふかい居場所なんだ 言葉にするものすべてが ましろにおさまるとは 限らない…
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雑草と呼ばないで

夏の草花が どこまでも咲いている 住居だった跡地に 黄色い花びらを空に仰がせて どこからともなく吹いてくる 青空からの風になびいていた どこかで見たことのある 名前も知らない花の名前 おそらく ここの住人が好きだった 名前も知らない花の名前 こぼれおちた なみだの分だけ ここに花開いているから …
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たった今の僕に

さっきまで降っていた雨が たった今止んだ 玄関の隙間から ひんやりとした風と 太陽の光が たった今の僕に来た 急いで駆け出した サンダル履きの足音は たった今の空に響く 収穫の終わったきゅうりの苗にも やわらかな時は訪れる 掘り起こされた土の上の 小さな水溜りにも 初々しい空は輝いていた …
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夜のあいだに

君の夜のあいだに 夢は停車していましたか ゆうべ 僕のもとには 余りにも速すぎる風が 通過しただけだったようですが 生きていく限り 心は動き続けるから そんな一日の終わりには ここに夢が停車してほしいのです それが 誰も振り向きそうにない とてつもなくつまらない 夢であったとしてもいいのです …
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今日も言葉の風が吹く

カバンを開いたら 色あせた 雑誌の中に光がさした かすれても未だ 眩しそうな若葉の表紙に 空からの光がさした 生きているつもりだけの日々に 青空のジッパーが走り抜けるような 眩しい時間の扉が開く ある時にんげんは あふれる言葉の木 ありったけの自分を広げて 数え切れない若葉の色を 真実の空に広げ…
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楽園の雨

朝 窓を開けたら 霧の雨が降っていた 降っているのかいないのか わからないくらい こまやかな雨 名前の知らない鳥の群れが 大木の陰で 何かをついばんでいた 雨が降っていることも 気づかないみたいに 時を一心にして 私は窓を閉じることも忘れて そ…
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台風の通過した後で

台風の通過した後で オレンジの小花の上に 黄色い蝶が止まっていた 泣くことも 声にすることもできない か細い蝶の薄羽が かすかに閉じたり開いたりしている 吹き降りの雨風に 守り抜いた蝶のいのちが 守り抜いた花のいのちの上で瞬く 暗い雲の切れ間から生まれる 尊い…
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その陽まで

公園通りの坂道の上 変電所の塔が ここからでも見えた 小さなことだけど 今まで ずっと知らなかったこと 偶然 背伸びしていた 爪先の影が短すぎて アスファルトしか見えない 通りががりの 真昼の公園には 誰ひとりいない だけど 夕方には帰ってくる たくさんの人の影が 涼しい風を 此…
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もうひとつの空

コインパーキングの入り口に 掲げられた「空」に 深い青も雲も見えないけれど けれども そのそばを通り過ぎるたび もうひとつの空を想う 今は空っぽでもいつかは満たされて 見たこともない青空になるかもしれない そんなことを 僕は自分だけの車も もちろん鍵も持たないけれど その空へと想いを 走らせる…
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明日への途中

生きていてよかった そんな言葉が 強く胸をよぎるなんて 急がなくてもいつかは必ず 誰にでも来る終わり その一日の途中よりも 今日ここに訪れてくる ささやかな一日の終わりのために ただ慎ましやかに生きたいと想う 明日のことなんて誰も知らない 昨日はこんなにかなしい空だったのに 今日はこんなに空が青かったっ…
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あなたの影のやさしさを

夏になると 誰もが誘われる影があります その場所にもたれると 急に眠くなることもあります 緑と緑の隙間に光を集めて 万華鏡のように 小さな時間を巡らせてくれます 乾いた道の途中 通り過ぎる風はさっきまで むせぶくらい熱かったのに ここに辿りつくと 何もなかったかのように落ち着いて 涼やかに通り過ぎ…
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せいたかのっぽの夏

                                                           せいたかのっぽのひまわりが きっともうすぐ 畑の道がわに揺れ始める ああ 今年のひまわりは あの子よりもせいたかのっぽか それとも それとも せいたかのっぽのひまわりよりも せいたかのっ…
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やさしい「あめ」のために

ひらがなだけしか まだ知らない子供たちが 空の高さを見ている 雲の張り詰めた空には 光の高さはなくて 今すぐにもこぼれそうな 雨の高さだけがある 今すぐにも降り出しそうな 梅雨の空を見ている 「あめ」と小さなゆびで ガラス窓の空に描いている まるでこの文字のように やわらかく やさしい雨になりま…
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すべては雨から始まった物語

雨上がりの空を トートバックに持って帰りたい どんなお店にある どんなビシューよりも 透き通った青だったから スキップするたびに 空はこぼれそうなくらい揺れて 今にも降ってきそうなの ここまで降って来そうなの 駆け出した交差点の 横断歩道のモノクロは 濡れた雨に滲んでるよ 街のまんなかで 足…
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未来日記

君が楽しそうに未来日記を描いています 大きくなったら何になる お母さんは大きくなったら何になるの お母さんもう大人だから もう一度子供になろうかな 君が未来の夢を見るように 大人も夢見る時間が必要かもね ああ疲れたって 呪文のようにつぶやいていたら つまらないだけの大人になってしまうかもね だから今日…
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ひざこぞうに おでこつけて 三角すわりした君の 閉ざされたままの 季節の扉を開けるには 手のひらに すっぽりとおさまって 握りしめることのできる そんなサイズの鍵が必要 今ここにあるポケットの 右と左 探しても見つからない だけど ひとりきりで うなだれることはないさ それは ひとりに…
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かなしみよ おやすみなさい

窓をあけたら ひんやりとした 夜の風が吹いてきた 草むらは 緑の香りを放ちながら 夜の空へとなびいていた おろしたてのすだれは 揺れながら 楽器のように音を立てていた 夢をみること 長いこと 忘れていたような気がする 無いようで じっと目を凝らせば 浮かびあがる星の雫たち 満ち欠ける月は…
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短い春

花咲く春に 生まれたわけではありませんが なぜかいつも春という季節に 立ち止まってしまうのです さっきまで停車していたバスが 海に向かって走り出します さっきまで姿の見えなかったバスが 山のふもとのこの坂道を登ってきます 長い間待っていたのに 着いてしまえば それは夢のようで 長い間待っていたのに …
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母の日に

なくなったひいおばあちゃんは おばあちゃんの おかあさんなのよ ひとはみんな 誰かから生まれてくるんだよ 姿は見えなくなってしまっても こころは生きているって 空を見て想う五月 今年もおばあちゃんは 丹精して育てあげた 鮮やかなカーネーションの鉢を 軒先の花の台に並べて まだ静かな朝 母の日…
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笑うこいのぼり

ぼく小さい頃な かしわもち食べるかって 初めて言われた時な どんなもちかわからへんから あたまのなか 一瞬宇宙になったわ え? あんたも え? おかあちゃんも おやこですなぁ 似てますなぁ 五月ですなぁ もうすぐですなぁ 端午の節句 子供の日 あんこのいっぱい詰まってる 柏の…
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青いパッカー車

今日も町をゆくよ 音を立てながら 青いパッカー車はゆくよ 人が暮らしてつくった さよならの荷物を運んでくれる 風の強い日も 雨の強い日も 太陽の光が強すぎる日も 音を立てながら 青いパッカー車はゆくよ さよなら 大きなクマのぬいぐるみ さよなら ぼくの自由帳の束 さよなら ひとつ…
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ポトスの影から

ここから一日の 始まりを見ることが 日課になった どこにでもありそうな 小さな窓の そばに置いてある ポトスの影から 寝覚める枕のそば 差し込んでくる光に ポトスの影が 窓を開けてと揺れている 小さな緑の奥に 朝の空が 青々と広がっている 僕たちは 今日も空の下 一日につながってい…
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