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POEM*ANDANTE
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詩。。。のようなものと、歩くような速さで。。。暮らしの隅っこで、向かい合いながら生きてゆけたら。。。
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ほどけて

2019/01/06 18:38


空は昨年の青にほどけて
またあたらしい青にからまる

鳥は昨年の風にほどけて
またあたらしい風にからまる

私は何にほどけたくて
いったいここまでやってきた

気がつけば
この町中に
ほどけてからまっていた

遠くで光っていた
透明なにおいのする川風よ

やがて空にほどけて
もっと遠くで海になってゆく

あした待ってるから
あした私待っているから

七色の願いの紐が
ほどけて
へこんだ空を元にもどすように

透明なにおいの風が
こころじゅうに吹き込まれて

どこにでもいる私もあなたも
背中ごしに涙をほどくこと

はじまった駅の音
道路の音
木々の音
雲の音

みんな何かにほどけてゆく

あしたの朝
何にもなかったかのように
いそいそと顔を洗う

ただ
あたらしくあたらしく
ほどけた素顔を朝のかがみに映す







********************************************************



初春のお喜びを申し上げます

本年もどうぞよろしくお願い致します

みなさまにとって、よき一年でありますように



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似たもの同士

2018/12/30 02:57
憧れは鐘に似ている
夕暮れの冬の窓ガラスに
そっと息を吹きかけてなぞった

指さきは文字を描く
憧れと鐘という文字は似たもの同士

憧れはいつか誰かの手で
打ち鳴らされたい
夢のような存在ではなくて
叶えられたひとつのものとして

窓を開ければ広がる風景
鳴らない寺院の鐘

寂しそうな鐘を
冬の風が揺らしたがっている

鳴らない鐘は
誰かに鳴らされることが憧れ
溢れる想いをこの空に響かせたい

憧れと鐘は
もうすぐ夢を叶えられるだろう

もうすぐおおみそか
もうすぐ似たもの同士の夢を持つ
人々の靴音も路上に鳴り響きだす

もうすぐおおみそか
空に鳴り響くあまたの鐘の音

みんな似たもの同士
日々の胸に鳴り響く
やがて訪れる新しきものへの憧れ






***********************************************************


 

  今年も一年間ありがとうございました

2018年度のブログは、詩「似たもの同士」を持ちまして、最終とさせていただくことになりました。

交流をもってくださった皆様、そして、訪れて下さったすべての皆様に心より御礼申し上げます。


どうぞ良いお年をお迎えください

  
  

  




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あしたも生きる

2018/12/17 20:14
なにもかもレールに
乗せられるのは
おもちゃの電車のようです

あたしはこれから
みずからの方角をみつめ
みずからを進む電車になって
どこかに行こうとしています

動き出すあたしを
車庫で心配しながら
見送ってくれるひとつひとつが
ゆっくりと小さくなってゆきます

ひっきりなしに
乗り降りしてくる人たちに
時には傷つくこともあるでしょう

通り過ぎてゆく踏切の音に
言い知れぬものを
感じることもあるでしょう

だけどトンネルを超えた時に
広がる海の果てしなさを
目にすることだってあるでしょう

誰かに決められた場所を走る
おもちゃの電車よりも
もっと見たこともない
遠くをめざしてみたいのです

ことことと かたかたと
あしたもあたしは生きるって
迫りくる青い線路は音を立てます

まだまだ一両編成のあたしは
聡明な空と海に見守られながら
力いっぱいの汽笛を響かせながら






*MYDEAR/新作紹介欄 掲載 (一部改変)*
*どうもありがとうございました*


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両替え

2018/10/29 18:55

数だけ増えた一枚の重みを
ポケットに忍ばせて
夕暮れの商店街を歩いてゆく

踏みし出すたびに
微かな音をたてるポケットに
そっと手をあてて歩いてゆく

どこかで零れないように
どこかで失わないように
気にしながら今日を歩いてゆく

じゃらりとカタチを変えても
ぜんぶ合わせれば同じ呼び名
もう一人の自分のようなカタチ

大きく広げた一枚のカタチだけで
そのままに生きてゆけたなら
どんなにいいだろう

数だけ増えた個々の僕のスガタ
誰かにその一枚を渡したまま
返ってこない日々もあるけど

元のスガタに戻れるまで
時間の要する日々もあるけど

代わりに手渡された別の何かが
うつむいた時のスガタに
ひかりを与えてくれることもある

何だか喉が乾いてきて
やけに派手な自販機が気になって

ポケットの中の一枚をほおりこんだ

新発売の清涼飲料水
ためらいもなく注ぎ込む
今日の夕暮れの空を自動的に仰ぎながら


一枚減ったポケットの中身
引き換えにもらった満たされた時
失われたようで失われていない合計

夕暮れの商店街
一枚と引き換えに渡されてゆくもの


古びたゲーセンから
聞こえてくるコインの音

閉店まぎわの店先で
品定めしている人の群れ

くたびれたスーツ
陳列をふり返りながら
立ち止まりながら歩く後ろスガタ

私本来という大きな一枚を

その時々に同じだけの
小さな一枚に変えながら

むせぶような町の匂い
見慣れた日々を往復してゆく

打算的な夕暮れに

涙する日々もあるけれど

小銭のような私の一部にだって

満たされる夕暮れもあるから
なんとか生きてゆける気がしてる


明日 晴れたらいいな
目の前に映る太陽の半分

夕暮れと引き換えに
僕たちに渡されるさりげない明日
やわらかな合計に照らされる今日







(MY DEAR/新作紹介欄 掲載)(一部改変)
   *どうもありがとうございました*

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らいふ

2018/10/07 23:13
昨日までのことが
まるで嘘のような休日の朝だ

窓の外から聞こえてくる
無邪気な雀たちの声が

かみしめた
食パンの耳を甘くさせる

いれ立ての珈琲の湯気が
淡い香りを立ち昇らせてくる

ゆっくりと近づいてくる
東からの陽に満たされてゆく部屋

一日は速く
一週間は何故か遠くて
やがてひと月に辿り着く
そんな日々を繰り返す僕たちのらいふ

小説にするには
あまりにも地味で
短すぎる僕たちのらいふ

音楽にするには
あまりにも単調で
音階のない僕たちのらいふ

だけど愛されずにいられないのは
ひとりひとりにしか見えない
聞こえない 心が
波打つ胸に宿るから

一日は速く
一週間は何故か遠くて
やがてひと月に辿り着く
そんな日々を繰り返す僕たちのらいふ

そして繰り返される時々の合間に
ふいに差し込んでくるのは
まるで嘘のような休日の朝だ


かみしめた耳に甘く響く
おどろくほど穏やかな朝の光
薄い珈琲の中にまで溶けてゆく

いっせいに飛び立つ雀たちの声
ゆっくりと近づいてくる
東からの陽に満たされてゆく部屋







**MYDEAR/ 新作紹介欄 掲載(一部改変)**

***どうもありがとうございました***




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セピア

2018/08/13 22:49

君は覚えていなかったの
それとも忘れたふりしてたの

小さい頃
君に借りた一冊の絵本のこと

ずいぶん長い間
借りたままで
まだ僕の家にある絵本のことを

ささいなことでけんかして
気まずくなって
返しそびれたままになって

言い出したくても
言い出せなくなって
延々と時間だけが過ぎていった

あんなに鮮やかだった絵本
触れるのも怖いくらい
今では姿を変えてしまった

僕たちはおさななじみ

二人のあいだをそっと開いたら
鮮やかな絵本のように蘇る一頁

本当は返してほしかったのに
言えなかったこと

本当は返したかったのに
言えなったかったこと

向かい風にめくられながら
いつしか大人になった僕たち

ある日 勇気を出して
おたがいの暮らしの背表紙を

過去に並べて一つにしたら
僕たちの新しい絵本が始まった

僕たちはおさななじみ

あの頃の絵本ではなくて
僕たちこそが
気心知りつくした一冊の物語








**MYDEAR/ 新作紹介欄 掲載(一部改変)**

***どうもありがとうございました***
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坂道

2018/06/22 10:34
蜻蛉を追いかけて
夢中で駆け上がる夢を見た

はかなく消えてゆくものを
見上げる瞬間はいつも
果てしなく青くせつなくて

のぼり道を踏みしめるたび
途中でゆるみだす靴の紐

太陽の傾斜の向こうから
転がってくる静かな距離は
止めどなくはかり知れなくて

僕たちの歩いてゆく毎日は
平坦なアスファルトでも
レンガのペイヴメントでも

すべては
予測のできない坂道ばかり

超えたいものを受け止めながら
せつなさの重みに戸惑いながら

今日も明日もその次もずっと
ただゆるみだすものを切々と
整えながら暮らしてゆく

斜めっている季節を移ろいながら
ただ青きものを見つめている
僕という今を生きてゆく坂道の途中






**MYDEAR 新作紹介欄 掲載**

*どうもありがとうございました*

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浅瀬

2018/05/26 23:58
水がニガテなら
無理やり水に慣れなくていい

深い水面に住む
ヒレのある大きな生き物が
S字に身をくねらせてゆく

そんな時間に生きてゆくほど
ここは器用な世界じゃないし

果てない川の青さが
空を吸い込んでゆく日曜日

遠くから眺めるだけで
魚になれそうな日曜日

アプローチは色々
あこがれを姿に変える方法は
案外どこにでもあるらしい

目の前にある
澄んだ浅瀬に寄せてくる
鱗のようなまばゆい光のラメ

今日はちょっとだけ
臆病な魚になってみたいから
おそるおそる裸足になってみる

差し出した両手
重なりあって水に映る
跳ねた光が両頬を染める日曜日






*** MY DEAR/ 新作紹介 掲載 ***

 **どうもありがとうございました**



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春トオガラシ

2018/04/27 16:46
冬が来れば春も遠くはない

どんなに辛いことがあっても
幸せな日がくるよ

春遠からじ

君が真顔で
僕に伝えようとして噛んだ
春トオガラシ

僕たちの長い真冬の日々は
固くて苦いトオガラシのよう

不得意も嫌なことも
何でも無理矢理飲み込んで
涙目になった日だってある

いつも潤んで見えなった
そこから先
だから春トオガラシ

この春に口にするトオガラシは
きっと苦みよりも
後からくるぬくみでしょう

あんなに辛い峠を乗り越えられた
僕たちの青みでしょう

君が噛んで言ってしまった
春トオガラシ

一律な真顔で言うよりも
ピリリと笑顔を誘った
青い僕たちの春の永遠でしょう










**MYDEAR 新作紹介欄 掲載**
 *どうもありがとうございました*
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憧れ

2018/04/03 19:44

七色のたまごを
二十四時間あたため続けたなら
夢の中でなら叶うかもしれない

叶う叶わないそれよりも
虹を仰ぐ気分になれることが眩しい

胸に手をあてるだけで
陽だまりに触れられることが眩しい

春夏秋冬一年それ以上
僕の胸に生きる
たいおんになってしまった想い

色んな絵の具のような憧れは
鮮やかな水彩色の生活を魅せてくれる

憧れという気持ちを知るまでは
なんて色褪せた無機質な日常

水辺の光のような
さりげない憧れを君と探してゆく
新しく結ばれた憧れを君と探してゆく





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春の予告

2018/03/17 23:15
陽ざしの染み込んだ
カーディガンを
羽織るように
ささやかな風が起こる

まだ寒いから
少しだけ開けた出窓
植木鉢の草花は揺れる

空の神様は
新しい絵の具で
太陽を描こうとしている

とろけるハチミツ色の
バイオリズムは降臨する

やがて宿る光の蒼い芽が
凍てつく根雪の日々に

凍えそうで曇りそうな
小さな窓の十字架に
祈っていた真冬の住人

僕たちは暮らしていた
必ず春が来ることを信じて

眩しい思いに
色づく蕾を膨らませて

握りしめていた言葉
澄みきった空に放ちたい

結び続けてゆく遠い距離を
静かに引き寄せながら
紡いでゆく甘い春の予告






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空の青い鳥

2018/03/17 23:14
.



顔をあげて 空を見たいよ

こらえても 涙こぼれてくる

生き辛い思いを 誰か聞いてよ

時を重ねて

つなげたい 明日の空に

みつけたい 空の青い鳥





特別なことはいらない

ただそっと うなずいてほしいの

青空の孤独に サヨナラしたい

心つつんで

見つめたい 明日の空を

舞い降りて 空の青い鳥










 いのちつなぐ 厚生労働省 自殺対策推進室
           Yahoo!Japan 特別企画  参加 







画像






                              


いのちつなぐ 厚生労働省 自殺対策推進室にある企画サイトには、現在、おだやかな風景のフォトや、胸の中にある言葉たち等が置かれています。悩んでいる人のための相談窓口も置かれています。



検索→ いのちつなぐ→いのちつなぐFacebook




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三日月

2018/02/22 23:17
満たされるものはいつも
大きな全円の光を
放っているけど

欠けたものはなぜかいつも
立ち止まることなく
スルーされてゆく

なかったことみたいに
生きたくない
精一杯輝く窓辺の三日月

猫背なクセを
正すだけで伸びる
ささやかな高さくらいになら

日ごと存在の遠くに
少しずつ近づいてゆけるかも

静かに目を閉じれば
遥かなる満月のセレナーデ

吐く息は微かに白く
やがて透き通って
夜の彼方に溶けてゆく

欠けたものに思い悩む夜
打ち明けられないまま過ごす
流星群のような人の雫

尖っては痩せる胸の三日月
思いは重なる
見知らぬ空の隣人たち

眠れぬ夜の部屋の片隅
別々の場所から
見つめている同じ月の形






*** MY DEAR/ 新作紹介 掲載 ***

  **どうもありがとうございました**
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屋根から屋根へと道から道へと

2018/01/20 15:30
語りかけてくるように
流れてくる休日のメロディー

見たこともない色が
つぎつぎと僕の耳を染めてゆく

どこにでもある紅茶と
読みかけの雑誌があれば
今日はそれだけで無色透明になれる

窓の外
一人で太陽は踊る
屋根から屋根へと道から道へと

誘われるように音楽も
狭い部屋から外へ流れてゆく

空の上から
重低音の旅客機の音が
濾過されながら降りてくる

朝の光に包まれながら
屋根から屋根へと道から道へと

ずいぶん忘れていた
もう少しだけ遠くを見つめること
もう少しだけ目の前を見つめること

無心に生きるって透明
けれども
無心に無理に生きるって
正統派の透明じゃない

気付かされた休日
胸の内にある
音の全部を外へと送り出した

窮屈な毎日から光へ踊る
あらゆる音の結び目は解かれて
屋根から屋根へと道から道へと





** MY DEAR/新作紹介 掲載 **
  *どうもありがとうございました*
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やじるしのしっぽ

2018/01/09 17:51
路地に住む灰色の
子猫の大きなあくびがみたい

曲がり角の終点は
つきあたりだけじゃない

見方を変えれば
とてつもない
大きな世界だってあるんだ

晴天の芝生の青さが
この上なく物悲しい日は
早くどこかに辿りつきたくて

行きあたりばったりの道を行く
行き止まりを求めるだけの
ひとりよがりな冒険

それ以下もそれ以上も何もない
路地のつきあたりに
一匹の灰色の子猫

大きなあくびをしていた
瘦せたゼラニウムが咲いていた

何だか涙がこぼれてくる
僕もしてみた大きなあくび
とっても眠いふりをしながら

路地のつきあたり
そろりそろり
近づいてくる灰色の子猫

青空につんと立てた
やじるしのしっぽ

上を見ろ
下を見ろ
ふりまわされんな

上を見ろ
下を見ろ
自分の上にある空を見ろ

悲しいにゃ
どうしようもにゃい

そんな時は
とりあえずないてみるか
大きなあくびでもしてみるか

むげに踏まれて汚れたしっぽが
力強くまっすぐに
空に向かって光るまで




** MY DEAR/新作紹介 掲載 **
  *どうもありがとうございました*




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初春のお喜びを申し上げます

2018/01/01 19:37

輝かしき新春を迎え、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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喜怒哀楽

2017/12/29 01:51
うつむくことよりも
顔を上げる方がいい

月並みの言葉だけれど
広い空を目にできるから

涙はながれるために
生まれてくるから

こぼしてしまったこと
後悔なんてしないほうがいい

生きてゆくために泣いた
生きてゆくために笑った

どれもこれも正しいこと
一年という時間に繰り返す

空を見渡せば
喜怒哀楽の音が胸を巡る

どんなことがあっても
いいことだけを信じて生きたい

夜を忘れて訪れる
朝の光のように
未来はすべてあたらしいから









***********************************************


「喜怒哀楽」をもちまして、本年のブログを最終とさせていただきます。

ご訪問いただいたすべての皆様。一年間、どうもありがとうございました。

どうぞ、よいお年をお迎えください。







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うつくしい秋

2017/12/18 23:29
思いっきり小さな頃
真っ赤な落ち葉は
枯葉がかわいそうだから

こっそりと誰かが
絵の具で色をつけて
あげたのかなって思った

できるのなら僕も
枯葉にきれいな色を
つけてあげたかったけれど

色塗りがにがてだったから
とうとう勇気はでなかった

こんなにたくさん
色をつけてあげたのは誰

ペンキ屋のおじさんなの
漫画家志望のおねえさんなの

考えれば考えるほど
胸は高鳴って
会ってみたくなったあの頃

あれから時間がたって
大人になって知ったのは

教科書にのっている
気候のことだけではなくて
もっともっと別の見えないところ

僕たちはいつも季節の中

とくいやにがても関係なく
誰かと共に色づいてゆける

かなしい枯葉のような心に触れた時
りりしいペンキ屋にだってなれる
ゆかいな漫画家にだってなれる

ほら今年もこの街に秋が来たよ
君にはあたたかい赤が似合う

僕たちはこの街で一緒に
うつくしい山々になろう
この先迎える長く白い冬のために




** MY DEAR / 新作紹介欄 掲載 **

*どうもありがとうございました*
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あかい ほっぺ

2017/12/02 18:20
まんいん でんしゃの だれかさん

ちょっこり ずらした

すわっている ばしょ


そのとたん

つぎつぎと ずれてゆく

ひと ひと ひと ひと ひと


あっというま

あっというまに 

おばあちゃんの すわるばしょ


ちいさな あいだと ちいさな あいだ

つながって もうひとりの あいだ


すっぽり つつまれた 

おばあちゃんの ほほえみ


ほこほこと ほこほこと

あつあつ おんせんみたい

ほんのり あかい おばあちゃんの ほっぺ






.
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遠い遠い世界になっても

2017/11/25 16:39
僕の知らないオーディオ
そっと針をおとして
親戚のおじさんは笑う

息を吹き返したように
流れ出した
レコードという中の音楽

お前の好きな
あのミュージシャンも
リスペクトしてたんダゼ

少年のようなまなざしで
親戚のおじさんは笑う

一気に飛び跳ねた僕の両耳

予想外だった音楽の原点
世代はやわらかく結ばれてゆく

窓の向こうには夕暮れ空
何かを語りかけてくる
僕の知らない遠い遠い世界から

沈み続ける太陽
回り続ける音楽
刻まれてゆく夕暮れの色

心地よさと新しさに
包まれながら
世代を超えて僕たちは回る

おとされた今日のさながらに
語りかけてくるのは
夕暮れのリズム

いつくしむものは
いつも何処かに繋がってゆく

この町のこの部屋が
いつか誰も知らない
遠い遠い世界になっても







** MYDEAR 新作紹介欄 掲載 **

   **どうもありがとうございました**




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