砂山

冷たい闇の中を
ひたすら手探りで進んだ

真っすぐ行くこと
それだけをたよりに

自分だけの感覚
それだけの
真っすぐをたよりに

とつぜん目の前に
やわらかさがひろがって
あたたかさがひろがって

ひとつにつながった
子供の頃の記憶

なんどもなんども
海辺の砂をかけながら
二人して砂山をつくった日

そしてひんやりとした
砂山の両側から
トンネルを掘り合った日

ようやく繋がった砂山の
トンネルのまん中で
握手しながら笑いあった日

あれからその海辺には
なんどもなんども
夕日は沈んで

なんどもなんども
誰かがトンネルをつくり
握手しながら笑い合った

あの子どもの頃の記憶に
うっすらと重なる
大人の中の世界の薄闇たち

今ここにある
トンネルを抜けたい

信じるってなんだ

真っすぐっていう言葉は
まだ君の胸の中に生きているか

大人になるっていう気持ちが
あの頃の記憶と繋がって
僕たちは海辺の夕日になれるか

遠くの知らない誰かの真っすぐと
遠くの知らない僕の真っすぐが
繋がることを信じている

あの頃の記憶が
デジャヴになれる日
僕たちの大人の中の薄闇に
光は突き抜けてゆく

ただ真っすぐに続く
制限のない時間が
信じるという瞳に眩しくきらめき





MYDEAR 新作紹介欄 掲載  一部改変

***どうもありがとうございました***