春の水になって

果てしないゆきみち
寄り添いながら歩く猫たちは

ときどきブルルと
片方の足を上げながら
それでも前へ前へと歩いてゆく

久しぶりの晴れの日だから
何よりもあたたかくて

どこまでも真白なこの道を
太陽に向かって歩き続けていた

猫たちがそこにつけた
おそろいの足跡は
まばゆい春へのスタンプラリー

やがて透明になって
季節の流れにさらさら溶けてゆく

ここにある真白な風景も
やがて春の水になって大地を潤す

知っているのか知らないのか
いつのまにか猫たちは
ゆきみちをすり抜けて

陽の当たる軒先を見つけて
大きなあくびをしながら
まどろんでいる

凍てつきそうな真冬の鬱さえも
たおやかにつつみこんで

やがてかじかんだくちびるへと
ひらひらと解き放たれる
なないろひなたの微笑み

あまあまと流れ出した
春の歌声に
こころはぬるみだしてゆく

さみしい目をした君にも
どうか流れてほしい
むねのほとり潤す春の水になって













** MY DEAR 新作紹介欄 掲載  一部改変 **

     ⁂ ありがとうございました ⁂



この記事へのコメント

2019年05月02日 18:02

七色に
 心育む 春の水
   君の想ひが 胸を潤す 詩 誠

※気持ち玉、有難うございました。


2019年05月04日 22:12
詩 誠 さんへ

ようこそ。ご訪問ありがとうございます。

素敵な短歌でのコメント、嬉しいです。

気持ち玉もありがとうございます

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