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POEM*ANDANTE
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詩。。。のようなものと、歩くような速さで。。。暮らしの隅っこで、向かい合いながら生きてゆけたら。。。
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風と光のデシャブ

2017/05/11 00:15
風はやがて春から夏へと移る
長袖のシャツを半袖に
そっと着替えるように

さりげなくさりげなく
感じたままに

机の上に開いたままの眠い小説が
アコーディオンのように
半円をゆるやかに奏でている

開きっぱなしのこの窓は
いつも狭い部屋に
小さな何かを起こしてくれる

高い低いが入り混じっている
反射するビルのグラデーション
霞んで溶けてひとつの街になる

初夏の光が滲みだした
無機質だって輝き出すグラデーション

誰に何も気づいてくれなくていい
すべては生きているという景色の中へ

窓から覗いた景色の風はゆるやかに
流れゆく人波を描いてゆく

眩しい街の太陽へと
そっと立てたひとさしゆび
はちみつ色のデシャブに包まれてゆく

どうしてこんな気持ち
いつか出会った気がするの

日々を生きてゆくって
初めてのことばかりなのに

胸の中に息をひそめていた光
風に吹かれて目覚めてゆく景色
受け継がれてきた鼓動のさいはて
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ショッパイパンを食べた日

2017/04/29 20:53
目の前
壁もないのに
見えない風にぶちあたってしまう

満たされた
オリジナルな時間を
味わって生きていく希望は

だんだんぼやけて
味気のない毎日へと

今はそんなことから
距離を置いて
違う時間へアンダンテ

休日の時間
いい香りの風に誘われて
誘われるままに

本日開店
ようこそ
焼きたてのパンな毎日へ

サクサクのメロンパンな
時間はいかが

濃厚バターのクロワッサンな
時間はいかが

満たされた瞬間の
広がりだす風の味のパレード

おなかがすくって生きていること
毎日食べたい
色とりどりの時間

目が泳ぐほど並べられた
かなしいくらいのスィーツな時間

だけどなぜか
手にしてしまうのは
ぽろぽろ涙のショッパイパン

シンプルだけど詰まってるんだ
言い表せないくらいのレポート
通り過ぎてきた風の味

おなかがすくって生きていること

ぽろぽろ涙のショッパイパン
かなしい時に味わった
時間のメニュー忘れない

いつもここから始まる
オリジナルなパンの味
透明な香りの中へとアンダンテ

おなかがすくって生きていること

よくばりなくらいおなかすかせて
ふくらんだ太陽のパンを
ひろげた両手でほうばりたい

真っ赤にほっぺたふくらませて
めいいっぱいにね
はちきれそうになるくらいにね











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もうひとつの光

2017/04/16 00:53
風を照らしているのは
春のなだらかな陽ざしか

通りすがりの少女たちの
揺れる長い髪のかたちに似ている

真昼の道はぬくもりを帯びて続く

平行線に続く広い田畑よ
起こしたての土の香りが
息苦しいほどに春を照らしている

息づくことは光
何かが何かを照らしている

そして生まれたてのぬくもりは
まっすぐにどこまでも続く

見渡すことも光
目に映る全てに春の訪れは満ちる

ぬくもりも光
見渡す人の影も光

大きく息を吸い込みながら春は
真昼の世界を横断してゆく

遠くに映るもうひとつの光
広大な菜の花畑は揺れながら
どこまでも続く春の風を照らしていた









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真冬の質問

2017/03/11 23:44
あたたかいものは何ですか

駅の奥から流れてきた
熱いココアの香り
ゆっくりと風に溶けていった

あたたかいものは何ですか

顔半分が隠れてしまいそうな
真っ白なふかふかのスヌード
足早に過ぎてゆくコートの少女

凍てつくような北風が
イルミネーションの通りを
何度も何度も吹き渡ってゆく夜

あたたかい飲み物も
あたたかい衣服も知っている

誰もみな遠い昔から

なのに人は問いかけてしまう
生きてゆく日々の胸に

どんなにあたたかいものが
街にあふれかえっても
人は探し続けて生きてゆく

本当にあたたかいものは何ですか

あなたのからだがあたたかいのは
わたしのからだがあたたかいのは
どうしてなのですか

街が凍てつけば凍てつくほど
わたしたちのからだは震えて

心が震えれば震えるほど
わたしたちの涙は凍てついて
ぽつりとつぶやいてしまうのです

あたたかいものは何ですか

心の芯からあたためあえるもの
どうかあなたにもわたしにも

願い続けたくなる北風の街
問いかけるたび白くなる息
浮かび上がる真冬の質問










**MYDEAR/ 新作紹介 掲載**
**どうもありがとうございました。**



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本のお知らせ 「詩誌 回生 (中村正秋 & 小熊昭広) 」

2017/03/07 20:03
詩誌『回生』第き号(通巻39号)が発行されました


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詩誌『回生』第き号(通巻39行)を2017年2月20日に発行されました。紙版、PDFデータ版等、詩誌のお求め方法の詳細は、http://www.poetic.jp/kaisei/ (詩誌回生 ホームページ)をご覧ください








 第き号に参加させていただき、どうもありがとうございました。



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仕組み

2017/03/07 20:02
長い間歩かなかった
古民家通りを歩いていた

なつかしさと
ほんの少しだけの哀しさが
古い樹木の木漏れ日から
届く影のように連鎖してくる

右手には今にも千切れそうな
かすれた和食屋の暖簾が揺れている

左手にはひどくカラフルな
輸入雑貨屋の看板の猫が笑っていた

並列する小さな過去と未来
通り過ぎるまばらな人の足音が
狭い道のカレンダーを刻んでいる

混在する過去と未来の片隅
いつも今っていう時間は
あるようでなくて

だけど何処にいこうと
今何時だって
何が古いとか新しいとか
そんなことどうだって関係なくて

ただいつも仕組まれていない
何かを待っていたい
何かを選び続けていたい

それを今って百パーセント
呼べる自分に出会えたら
愉快に時計の針は踊り始めるでしょう

日常に仕組まれたハヤリよりも
もっと自由に前に後ろに

目の前にある景色の中に
なつかしさにも似た鮮烈な
やさしさの仕組みを感じてみたい

古きを新しきを眺め
立ち止まる古民家通りの人々

何もかもが流れ動く今だから
ほんとうのところは
ここからは何処にも留まれない

手の届かない過去と
手の届く新しさの仕組みに
ゆびさきを甘くしびれさせるだけ

個々にある胸の中の今について
しあわせの仕組みについて
内緒の腕組みしながら過ぎゆく人々よ



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本のお知らせ 「子どもへの詩の花束 」

2017/03/07 16:36
子どもへの詩の花束 小学生のための詩の本
詩選集2016
                                                                                                                                                                    

編集委員
武鹿悦子・新川和江・野呂 昶・吉田定一・左子真由美 


詩の国を探検しよう!




画像


 小学生のための詩の本



谷川俊太郎、新川和江、左子真由美…。日本を代表する詩人たちから寄せられた、子どもたちの未来へ贈る103の詩の花束。低学年向け・中学年向け・高学年向けの3つに分けて掲載する。【「TRC MARC」の商品解説】
       



詩は読まれることによって、はじめていのちを持ち、いきいきと輝きはじめます。なによりもこの詩集のなかの、ご自分の好きな詩を、子どもたちと一緒に、なんどもなんども読んで覚えてしまってくださることをお薦めいたします。すっかり覚えてしまったとき、その人の感性は、覚えた詩のぶん、ゆたかになっています。

(「あとがき ――学校の先生、お父さんお母さん方へ」より












出版社: 竹林館
サイズ: 単行本
ページ数: 160p

                                          ☆ネットショップからでもお取り寄せできます。











☆参加させていただき、ありがとうございました。 (言葉の鳥)
               




                                 



                              
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カ・タ・コ・ト

2017/03/05 18:45
なぜ僕がこの国に生まれて
この国の言葉を話しているかなんて
僕本人にだって全くわからない

異国の地に生まれた君の
僕の国の言葉のカタコトが
あやふやなままに耳に響いてくる

僕たちは昔
何もわからないまま目を開き
何もわからないまま生まれ落ちた

手渡された地図だって鍵だってない
飽和された日常の並列を
てさぐりしながら
明日を想うことばかり繰り返してきた

一つの言葉が一つの言葉と溶け合う時
ただ繋がるだけじゃなくって
新しいものが生まれる気がした

君の国と僕の国
生まれてきた今までのお互いのこと
繰り返してきた明日を想うこと

別々だったけど知っている
みんな行き着く先は同じだってこと

だけどそれだけじゃ終われないってことも
僕たちはなんとなく知っている

日々の風が織りなす
見慣れた道や空を循環する
離れてぼんやりとしている終わりへの途中

ほんの少しだっていい
その時々を分かち合いたいって
想ってしまう人という無意識のかたち

出会いっていう偶然がもたらせてくれる
新しい奇跡のような体温の波動

明日を想うこと
ずっと今までたった一人で
繰り返してきたものを
互いの言葉を超えて重ね合えること

どうぞこの手でふれさせて
どうぞあたたかく

どうぞこの耳できかせて
どうぞおだやかに

君の国 僕の国
互いの日々のカタコトを紡ぎあいながら
ほどいてゆくありのままのかたち

もはや何かで包み隠されたものは
そこには微塵もなく
ただとつとつとあかあかと

ただ今はどこからかそこはかとなく
うつくしいぬくもりだけが
互いに繰り返される想いに伝わってくるだけ





.
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春への途中

2017/02/16 19:23
自転車をこぐたびに
季節が動いてゆくみたいだ

サドルに乗っけたお尻が
長いでこぼこ道の
ガタンゴトンに笑っている

じっとしていられないんだ
理由もない胸さわぎで
少しだけ北風が強い一日も

今日一番のスクープ

枯れた芝生の公園に
白い梅の花が開いたんだよ

春への花時計
やっと動き出した

梅の時間が咲いたら
次は桃の花の時間だよ

桃の花の時間が咲いたら
次は桜の時間が
町のあちらこちらで笑いだすよ

春への花時計
やっと動き出した

まだ見えない花びらも
冬の鼓動に触れてくるよ

春はどっちだ
右か左か

待ちわびて指し示す
ゆびさきの方向さえ
パステルな蕾の秒針になるよ

幾重の春への想いが
時のチャイムをふくらませてゆく

あなたの町にも
ぼくの町にも動き出す

自転車で辿り着いた
坂道の上に見えたのは
花びらのような雲光る春への途中






MYDEAR/新作紹介 掲載

**どうもありがとうございました**
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とりとめもないもの

2017/01/08 18:13
朝の扉を開いたら
駐車場には真っ白に降りた霜

凍てついた車のウインドウを
照らしている初めての光

ブロック塀から見える
民家の植木に
ふくふくふくらんだ小鳥の群れ

何もないようで
ひとつひとつが始まりの色
何もないようで
ひとつひとつが始まりの音

あまりにも空気のようで
あまりにもそばにありすぎて
とおりすぎてしまうもの

ぎゅっと踏み出した
かかとの高い靴の音に
いっせいに飛び立つ小鳥の群れ

見上げれば眩しい空の光
目に映る真っ白に降りた霜は
溶けだして光に変わってゆく

鼻の先を痛くするような
朝早い空気の香り
張り詰めた景色の色が
暮らしという光に溶けてゆく

電線に移り渡った小鳥の群れ
とりとめのないさえずりと
とりとめのない
はばたきを見せてくれる

あなたをつつむものは
わたしをつつむものは
とりとめもないもの

見過ごせばそのままの
とりとめのない幸福よ
抱きしめれば広がる光の波紋よ




***MYDEAR/新作紹介掲載***

**どうもありがとうございました**








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新年明けましておめでとうございます。

2017/01/01 00:23


初春のおよろこびを申し上げます。




みなさまにとって、幸多き一年になりますように・・・。



本年もどうぞよろしくお願いいたします。









.
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「あと少し 」

2016/12/31 00:58
皆様、一年間、どうもありがとうございました。

本年は、詩「あと少し」をもちましてブログ納めとさせていただきます。
どうぞよいお年をお迎えください。



「あと少し」


あと少しで終わる一年
そしてあと少しで始まる
新しい一年

今年も色々あったあと少し
終わりもあれば
始まりもあった

僕たちにとって
巡り続けるあと少しは
いつもあたたかいものへの
兆しでありたい

一生懸命に始まり
一生懸命で終わった一年

春も夏も秋も冬も
晴れの日も雨の日も風の日も

それぞれのあと少しを胸に
いつも迫りくる何かを
乗り越えてこれたような気がする

君とってのあと少し
僕にとってのあと少し

お互いの一番のあと少しを
交換し合えたなら

僕たちは今以上にもっと
強くなれる気がする

僕たちの胸に金色の鐘がなる
僕たちの胸に金色の朝日が昇る

新しいゴールまであと少し
新しいスタートまであと少し
冬空を見つめ続ける僕たちの胸に



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透明サンタ

2016/12/24 01:10

外はすっかり冬の夜
ベットにもぐりこんだら
やがてサンタがやってくる

ひとつの屋根の下
大勢のときも
一人のときも
あなたにサンタはやってくる

大人になっても
あなたにサンタはやってくる

信じるなんて子どもみたいだって
照れ隠している気持ちにも
そぉっとサンタはやってくる

透明サンタはあなたのそばにくる
いつも何かをずっと信じている
秘めたあなたのそばにくる

おやすみかわいい人よ
枕元にくつしたを置かなくても
透明なサンタはあなたにやってくる

あなたの澄んだ心に
かたちのないツリーが光っている
何かを信じるっていう目印みたいに

透明サンタは
一生懸命生きている
あなたの聖夜にやってくる

さみしくないかい
無理していないかい
強がりすぎてはいないかい

大人だって
笑いたいときは
もっともっと笑ってもいい

大人だって
泣きたいときは
もっともっと泣いてもいい

透明サンタはかたちのない
ふかふかのぬくもりを
あなたの見る夢にそっとおいてゆく

一生懸命生きている
あなたの聖夜にやってくる
透明なジングルベルを眠るあなたに














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満月の嘘

2016/12/23 23:16
壊れた腕時計に映る満月の光
窓に降りそそげど降りそそげど
動かせない時計の針

てのひらにすっぽりと
収まる壊れたすべてを
今はこのまま温めていたい

たとえ今はやるせない現実でも
いつかはどこかの遠い苦みになる
月の光から陽の光へと
繰り返される温度差に薄められて

壊れた時の抜け殻を
ただ握りしめ続けていても
止まった針を動かすことはできない

だけど
温めてあげたい

あんなに悲しかったことも
あんなに苦しかったことも
現実から思い出へと
ぼんやりと変われる気がするから

壊れた腕時計を映す窓
完璧な満月の光
淡いチグハグが胸に刺さる

止まり続ける現実に
動き続ける満月の光

どこへも動けない現実に
動き続ける満月の光

壊れた時計が
動き出したかのように
滲む霞み目を惑わす満月の嘘

見え透いた嘘に騙し騙されて
すべての現実を夜に握りしめて
ベッドに倒れこんだまま
眠ってしまうのもいいかもしれない

目を閉じて
眠った後には誰にだって
嘘のように眩しい朝が来るのだから







*MYDEAR  新作紹介 掲載 (一部改変)*

  ***どうもありがとうございました***

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坂の下の公園で

2016/12/04 16:51
なだらかな下り坂を
両手放しに笑いながら
駆け下りてくる子供の影

カラフルなシューズの音
鍵盤のように響かせる
長い下り坂の石畳

大人になってゆくたび
知ることは増えてゆく

いつしかいつも両手は
腕組みばかりが増えて
高く伸ばすことも忘れて

休日の朝の公園の
濡れた芝生の上には
青さと雫が延々と反射している

子どもが過ぎた後の下り坂
高いところから吹いてくる風が
何度も何度も芝生に降りてくる

上につながるものが此処にはある
小鳥の群れも降りてくる
坂の下の公園に降りてくる

何でもない出来事が
なんだか幸せの予兆のように
固い腕組みをほどいてゆく

心地よいあくびを誘う朝の光
大きなのびも誘ってくる

いつのまにか両手放しに
触れていた秋の始まり
どこまでもせいたかのっぽの空





*** MYDEAR/新作紹介 掲載 一部改変 ***
   **どうもありがとうございました**
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僕たちのインターバル

2016/11/11 00:07
ヒラヒラ落ちてきた
目の前の一枚の紅葉
広げた手のひらに重ねたら

子供だった手のひらも
とっくの昔に追い越した

大人の一枚の手のひらを
そこはかとなく感じた

幾度も繰り返された
秋という季節
手のひらを熱く染めた瞬間

道草の途中で
手にした小さな石ころ
誰もいない真っ直ぐな砂利道

ふとすれば切なくなる
走馬灯のようなスピードで
めくりめく連続の思い出たち

昨日までの悲しみも寂しさも
明日の向こうへと一心に
追い越そうとしている
ひたむきな今日の夕映えよ

手のひらにあるこの思いを
生きているシーンの
透明なゾーンへと強く
突き抜けるほど投げかけたい

熱い思いも凍える思いも
生きてゆくという
思いのひとつにする為のように

いつもラストスパートまでの
季節をさりげなくつないでいた

夏と冬をつなぐ季節
真逆の季節をつないでいた

やがて僕たちは
眠りながら目覚めながら
様々なイロハを通り越して

それを四季と呼び合うんだ
そして一年というゴールを
固くこの手にするんだ

もうすぐやって来る
寒い寒い季節

温めた日々のローティション
途切れてしまわないように

孤独と勇気をつなげるように
始める僕たちのインターバル

どんな真冬の思いがこようとも
陽光のようなプラスの思いを
これからの日々に重ねてゆきたい

ひとつ凍えたとしても
自ら育てたもうひとつの
手のひらの情熱で守り続けていたい

強くなりきれなくたっていい
強くなりたいっていう心で
波打つ日々を守ってゆきたいんだ
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にんげんの空

2016/10/19 23:24
見上げれば遠すぎて
見上げれば広すぎて

僕一人という存在が
ちっぽけに見える夏の空

入道雲はどこまでも
高さを誇るように伸びてゆく

何一つ届かない空
手を伸ばせば
伸ばすほど離れてゆく

この空の下に生まれてきて
この空の下に生きてゆく

足りないものも
満たされるものも
この空の下で感じてゆく

たった一つだけ言えることは
僕はにんげんだということ
この空の下で生きてゆく

空になんて届かないけれど
遠く広い世界がある

ないものねだりを重ねても
それ以上何にもならない
もっと見渡せるものがあるはず

生きてゆける時間の中で
愛おしいものを感じる空間を
見つけることができたなら

それがきっと
にんげんの空の始まり

青い心を滾らせ
白い雲を自由に沸きあげて
膨らみ続ける時に翼を広げる

いつまでもどこまでも
透明な風が吹き抜けてゆく

溢れ来る胸の愛おしさで
抑えきれない歓喜が弾けたら
やがてリアルに届くだろう

あんなにも遠すぎた空に
広すぎた空に
生きているにんげんの声が




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ミントの風

2016/10/02 19:09
真昼の大通りから
いそいそ自宅へと帰る途中

ゆらゆらと揺れる陽炎
生まれては消えてゆく光の煙

一足踏みしめるたび
滲んでくる大粒の汗の雫

頭に肩に痛いくらい
ジンジン射してくる真夏の太陽

今日の気温はすでに
体温を超えて
吐く息さえ熱くする午後

やっとの想いで辿りついた駅
立ち止まって押した
自販機のボタン

握りしめると滴ってくる
ペットボトルの雫

ガラスの向こう
開いて入った
ホームの待合室の中

この世界中
ミントの風のように
別世界の空気に包まれていた

今日の真夏の真昼の大通りを
通り越してこなければ
とうていなれはしなかった

こんなこんな気持ち

今日の陽ざしを感じて
新しい風を知ること
忘れそうな時に季節は手招く

時の被膜を優しく超える
一瞬の風に目覚める想い
それをささやかな幸福と呼びたい






**MY DEAR 新作紹介 掲載**

*どうもありがとうございました*



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響き

2016/09/04 19:13
コンビニのドアのチャイムが

快くフロアーに響く夜

素足にサンダルのゆびさき


買うあてもなく

ただ何かを手にしたくて

ふらりと一人出向いた夜


ガラス越しの国道には

途切れることなく

走り続ける車の風の音


やせ細る三日月は

せいいっぱいの光を

小さな町の夜に

黙々と照らし続けていた


何気ない夜だけど

何気ない出来事だけど

手にするものの一つ一つが

どこかしら胸に響いてくるこの夜


何となく好きなチョコレート一つ

レジの音が勢いよく店内に響く


外に出ればコオロギの声

狭い空き地の草むらから響く


今日も一日は

終わりを迎えたけれど

一日の夜はこんなにも生きている


夜の小さな不摂生

いつもの部屋に帰って

お菓子を食べてジュースを飲んだ


ささやかなつぐないのように

こしこしと歯磨きの音が響く


いつものようにベットに横たわり

そっと目を閉じれば

やがてふわりふわりと寝息が響く


あてもなく生きているようで

穏やかに眠り目覚めること


みんな胸のどこかに願いながら

それぞれの暮らしの

何気ないリズムの中を生きている


耳に聞こえるものすべてが

響くものじゃない

生きて感じられることがすべて


だからふと胸があつくなって

泣きそうになることもあるんだ


それは君だけに響いてきた

生きてきたという何気ない証


たとえどこにあるものであっても

何でもないことであっても

君への特別な響きなんだ


思わず手に取って

抱きしめてみたくなるんだ

かげもかたちもない響きなのにね























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愛用

2016/08/02 22:54
キーボードから手を放して
久しぶりに握りしめた
古い一本のペン

ゆびさきには
さっきまでとは違う
言葉の熱が帯びてくるのです

この一本も生きているのです
ところどころに浮かびます
あまたの細い傷痕が

昼下がりの緑の日も
真夜中の雨風の日も

綴り続けるものはすべて
胸の中の一枚の元へ
さやさやと記されてゆきます

懐かしいことも
ありふれたことも
まばゆいあたらしさも

風のような時に運ばれては
切手のいらない住所に
静かに届けられてゆくのです

そしてずっと昔からある
木目の想いの引き出しに
音もなくしまわれてゆくのです

ふと握りしめたくなる
古い一本のペン

不器用な癖も
褒められるのが苦手な癖も
言葉の熱は変えてくれるのです

真正直に生きたいけれど
生きづらい切なささえも
そのままに記してくれるのです

ああ 親愛なる人よ

言いたいことの半分も
伝えきれない時にいつも
握りしめている古い一本のペン

今日は愛する一本が
さやさやと代筆してくれる
真正直な言葉の熱を
ま白な一枚に込めたいのです

何よりも大切な想いを
奥底に伝えたい時には
どうしても必要だから

生きている言葉が
たくさんたくさん必要だから
どうしてもあなたに伝えたいから







MY DEAR/ 新作紹介 掲載

**どうもありがとございました**


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