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POEM*ANDANTE
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詩。。。のようなものと、歩くような速さで。。。暮らしの隅っこで、向かい合いながら生きてゆけたら。。。
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三日月

2018/02/22 23:17
満たされるものはいつも
大きな全円の光を
放っているけど

欠けたものはなぜかいつも
立ち止まることなく
スルーされてゆく

なかったことみたいに
生きたくない
精一杯輝く窓辺の三日月

猫背なクセを
正すだけで伸びる
ささやかな高さくらいになら

日ごと存在の遠くに
少しずつ近づいてゆけるかも

静かに目を閉じれば
遥かなる満月のセレナーデ

吐く息は微かに白く
やがて透き通って
夜の彼方に溶けてゆく

欠けたものに思い悩む夜
打ち明けられないまま過ごす
流星群のような人の雫

尖っては痩せる胸の三日月
思いは重なる
見知らぬ空の隣人たち

眠れぬ夜の部屋の片隅
別々の場所から
見つめている同じ月の形






*** MY DEAR/ 新作紹介 掲載 ***

  **どうもありがとうございました**
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屋根から屋根へと道から道へと

2018/01/20 15:30
語りかけてくるように
流れてくる休日のメロディー

見たこともない色が
つぎつぎと僕の耳を染めてゆく

どこにでもある紅茶と
読みかけの雑誌があれば
今日はそれだけで無色透明になれる

窓の外
一人で太陽は踊る
屋根から屋根へと道から道へと

誘われるように音楽も
狭い部屋から外へ流れてゆく

空の上から
重低音の旅客機の音が
濾過されながら降りてくる

朝の光に包まれながら
屋根から屋根へと道から道へと

ずいぶん忘れていた
もう少しだけ遠くを見つめること
もう少しだけ目の前を見つめること

無心に生きるって透明
けれども
無心に無理に生きるって
正統派の透明じゃない

気付かされた休日
胸の内にある
音の全部を外へと送り出した

窮屈な毎日から光へ踊る
あらゆる音の結び目は解かれて
屋根から屋根へと道から道へと





** MY DEAR/新作紹介 掲載 **
  *どうもありがとうございました*
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やじるしのしっぽ

2018/01/09 17:51
路地に住む灰色の
子猫の大きなあくびがみたい

曲がり角の終点は
つきあたりだけじゃない

見方を変えれば
とてつもない
大きな世界だってあるんだ

晴天の芝生の青さが
この上なく物悲しい日は
早くどこかに辿りつきたくて

行きあたりばったりの道を行く
行き止まりを求めるだけの
ひとりよがりな冒険

それ以下もそれ以上も何もない
路地のつきあたりに
一匹の灰色の子猫

大きなあくびをしていた
瘦せたゼラニウムが咲いていた

何だか涙がこぼれてくる
僕もしてみた大きなあくび
とっても眠いふりをしながら

路地のつきあたり
そろりそろり
近づいてくる灰色の子猫

青空につんと立てた
やじるしのしっぽ

上を見ろ
下を見ろ
ふりまわされんな

上を見ろ
下を見ろ
自分の上にある空を見ろ

悲しいにゃ
どうしようもにゃい

そんな時は
とりあえずないてみるか
大きなあくびでもしてみるか

むげに踏まれて汚れたしっぽが
力強くまっすぐに
空に向かって光るまで




** MY DEAR/新作紹介 掲載 **
  *どうもありがとうございました*




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初春のお喜びを申し上げます

2018/01/01 19:37

輝かしき新春を迎え、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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喜怒哀楽

2017/12/29 01:51
うつむくことよりも
顔を上げる方がいい

月並みの言葉だけれど
広い空を目にできるから

涙はながれるために
生まれてくるから

こぼしてしまったこと
後悔なんてしないほうがいい

生きてゆくために泣いた
生きてゆくために笑った

どれもこれも正しいこと
一年という時間に繰り返す

空を見渡せば
喜怒哀楽の音が胸を巡る

どんなことがあっても
いいことだけを信じて生きたい

夜を忘れて訪れる
朝の光のように
未来はすべてあたらしいから









***********************************************


「喜怒哀楽」をもちまして、本年のブログを最終とさせていただきます。

ご訪問いただいたすべての皆様。一年間、どうもありがとうございました。

どうぞ、よいお年をお迎えください。







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うつくしい秋

2017/12/18 23:29
思いっきり小さな頃
真っ赤な落ち葉は
枯葉がかわいそうだから

こっそりと誰かが
絵の具で色をつけて
あげたのかなって思った

できるのなら僕も
枯葉にきれいな色を
つけてあげたかったけれど

色塗りがにがてだったから
とうとう勇気はでなかった

こんなにたくさん
色をつけてあげたのは誰

ペンキ屋のおじさんなの
漫画家志望のおねえさんなの

考えれば考えるほど
胸は高鳴って
会ってみたくなったあの頃

あれから時間がたって
大人になって知ったのは

教科書にのっている
気候のことだけではなくて
もっともっと別の見えないところ

僕たちはいつも季節の中

とくいやにがても関係なく
誰かと共に色づいてゆける

かなしい枯葉のような心に触れた時
りりしいペンキ屋にだってなれる
ゆかいな漫画家にだってなれる

ほら今年もこの街に秋が来たよ
君にはあたたかい赤が似合う

僕たちはこの街で一緒に
うつくしい山々になろう
この先迎える長く白い冬のために




** MY DEAR / 新作紹介欄 掲載 **

*どうもありがとうございました*
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あかい ほっぺ

2017/12/02 18:20
まんいん でんしゃの だれかさん

ちょっこり ずらした

すわっている ばしょ


そのとたん

つぎつぎと ずれてゆく

ひと ひと ひと ひと ひと


あっというま

あっというまに 

おばあちゃんの すわるばしょ


ちいさな あいだと ちいさな あいだ

つながって もうひとりの あいだ


すっぽり つつまれた 

おばあちゃんの ほほえみ


ほこほこと ほこほこと

あつあつ おんせんみたい

ほんのり あかい おばあちゃんの ほっぺ






.
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遠い遠い世界になっても

2017/11/25 16:39
僕の知らないオーディオ
そっと針をおとして
親戚のおじさんは笑う

息を吹き返したように
流れ出した
レコードという中の音楽

お前の好きな
あのミュージシャンも
リスペクトしてたんダゼ

少年のようなまなざしで
親戚のおじさんは笑う

一気に飛び跳ねた僕の両耳

予想外だった音楽の原点
世代はやわらかく結ばれてゆく

窓の向こうには夕暮れ空
何かを語りかけてくる
僕の知らない遠い遠い世界から

沈み続ける太陽
回り続ける音楽
刻まれてゆく夕暮れの色

心地よさと新しさに
包まれながら
世代を超えて僕たちは回る

おとされた今日のさながらに
語りかけてくるのは
夕暮れのリズム

いつくしむものは
いつも何処かに繋がってゆく

この町のこの部屋が
いつか誰も知らない
遠い遠い世界になっても







** MYDEAR 新作紹介欄 掲載 **

   **どうもありがとうございました**




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色鉛筆な日々

2017/11/03 19:52
モノクロの風景を
おろしたての色鉛筆を使って
ひとつひとつ色づけてゆくように

一日一日を大切にしてゆきたい

私の生きてきた風景の中は
まだ本当の風の色を知らなかった

今まで履いたことのない
目の覚めるような色の靴を足にして

人目を気にせずに歩いてみようか
不安ならば寄り添う背中の影を
味方にしながらでも

胸の中に秘められていたモノクロは
ありのままの肌色を塗り重ねられて
クロスステッチしながら広がってゆく

踏み出してゆくたびに体内を離れて
きっと熱い呼吸は風になる
日々の七色にこぼれ始めてゆく

自身が思うほど他人は
通りすがりの他人のことなんて
それほど気にしていないから

だからもっと自由に風をきって
あしたの道を歩いてゆく勇気を

塗り重ねられたひとつひとつの道は
私らしい暮らしの色になってゆく
こつこつと彩られる色鉛筆な日々

目の前に続く
小高い木々も四角い建物さえも
なだらかな円形の光に包まれてゆく

うまく生きようなんてしなくていい
敷居の高い空につま先を伸ばして
もう足を痛めなくてもいい

手の届く空のすべてが私の永遠
吹き渡る自由はさやさやと育まれ
そよぐ綿帽子の風になってゆく

見渡せば塗り重ねられたものは
ひとつの風景へと繋がってゆく
この命続く限りずっとかなえられる


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夏の終わり

2017/10/09 17:12
夏の終わりを惜しむように
ワンピースを着た少女たちが
湖面に素足を浸していいる

揺れるみなもを走ってゆく
色褪せた夏の光が瞬きながら
向こう岸へと消えてゆく

さようなら今年の夏よ
息を飲むように見上げた
ジェット機が描いた雲の線

微かに感じる球形に
包まれた青いこの星の軌跡

日に焼けた少年の放った
フリスビーが空を突っ切ってゆく
真夏のUFOは秋へと消えてゆく

季節は巡りゆくものだけれど
今と同じ季節はもう二度と
こないことも知っているから

さっきからずっと
此処にいたくなってしまうんだ

さようなら夏模様
季節の淵に立って僕たちは
許される限り見つめ続ける

寄せては返してくるものも
ずっと佇んでいるものも

掬い上げて
この白いシャツのぜんぶに
きつく染み込ませてしまいたい

風に押されて転がった
空っぽのペットボトルさえも
反り返る光を閉じ込めようとしている

とめどない光の瞬きは
腕にまかれた時計にも落ちてくる
その丸い淵をなでながら包む夏模様

気づかれぬようにそっと
揺れる木漏れ日は秋へと零れてゆく





**MYDEAR 新作紹介 掲載  一部改変 **
*どうもありがとうございました*



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ベランダの夜空に

2017/10/01 23:21
取り込み忘れていた花柄のタオル
さやさやと揺れていました
ベランダをよぎる薄闇の風に

ここに立って見えるのは一日の先端
今日の終わりと明日の始まり
次々と灯されてゆく小さな街の光

急に灯された光のように
薄闇の空を微かに染めてゆくものは

肩に積もった真昼の小言を
静かにはらいのけてくれます

生き辛い世の中
名ばかりの透明に行き場を失い
迷いたくても迷えない行き止まりに
深いため息をつくこともあります

横縞ばかりの平坦な視野にサヨナラ
見上げるものがその先にある限り
これからは空に光を求めます

少しさびれたベランダにも夜の空
そっとゆびさきを伸ばして
この爪に月の光を灯しましょう

何にもないその先端に色を
薄闇で心もとないその先端に光を

そして今日の月よ
明日の太陽よ占って
いちばんあかるい答えで私をだまして

ここから見える
浮かび上がる光のこだまに
小さな小さな乾杯をしました

透明なグラスに注いだ酎ハイも
浮かび上がっては
水しぶきをあげて光っていました

ここから見えるまだ終わらない光
またひとつひとつ急に灯されてゆきます

それは予告なんてない
日々の連続を物語るかのようです

うつくしいだけのものなんていりません
私の先端にまで昇り詰めてくれる光が
明日へ弾けてくれればそれでいいのです






**MY DEAR 新作紹介 掲載**
**どうもありがとうございました**

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無数の橋

2017/09/20 17:08
戸惑いながら
贈り物を差し出した
君の白いブラウスの両手

照り返す海岸の
潮風と光にふくらんだ

君の遠く
向こう側に映る
白い虹のかたちをした大きな橋

うつくしいその橋も何かに
贈り物を差し出しているのだろうか

翻る初夏の陽炎が
ゆっくりと流れながら瞬いてゆく

おだやかに差し出されるものは
いつも胸の向こう岸から
光のようにやって来る

今日もどこかで架けられる
ゆるやかな両手
無数の橋

差し出されるものは
いったいどんな色をしているのだろう

予告もなく架けられる
ゆるやかなこの世の無数の橋

はかり知れないその橋を
戸惑いながら瞬いてくるものは
いったいどんな姿をしているのだろう






***MYDEAR /新作紹介 掲載***

**どうもありがとうございました**


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夏の音

2017/08/28 00:19
おばあちゃんちのテレビ
映っているのは高校野球

テーブルに置いてくれた
大粒の氷入り麦茶
握りしめながら見る決勝戦

カラカラと響いてきたのは
開けっ放しの窓の向こう
うずまく花壇の風車

庭木の陰の中
微かに揺れるのは
背の高い大きな向日葵の花

夏の太陽は八月の風に咲いたか
一生の思い出の蕾たちは
後悔の微塵もなくしなやかに
眩い金色の花びらを伸ばせたか

画面の向こうから
試合終了のサイレンの音

輪になる歓喜の球児たち
甲子園の土をつかみながら
号泣している球児たち

カランと音を立てた大粒の氷
ガラスコップの雫たちは
ここに留まることを知らない

庭木の幹にはツクツクボウシ
反り返りそうになるくらい
夏の光に叫んでいる

うずまく花壇の風車
ひとつひとつ耳の奥に
しまわれてゆく夏の記憶





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尊重

2017/07/31 17:36
暑いから上着を脱ぎました
喉が渇いたから水を飲みました

今日の陽ざしが眩しすぎるから
買ったばかりの帽子を被りました

花が散った季節の後に
誰にも遠慮なく
瑞々しい青葉が広がるように

ありのままの
ながれゆくままの
忠実を受け止めていたいのです

遠慮がちで後回しになる
こと細かな自身の
言いたくても何も言えない日常

せめて一人だけの隙間は
そのままの自身を重んじてあげたい

暮らしていく時の中で
感じること感じるままに
流れゆくままに受け入れられること

そんな忠実のすべてに
尊重という言葉を贈りたいのです

今日という日が忙しすぎて
疲れたというあなたの忠実にも

たおやかな絹のリボンをかけて
何もなかったようにそっと
尊重という言葉を贈りたいのです




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初夏

2017/06/14 16:54
ご無沙汰しております
覚えていますか

まだ向日葵は
お届けできませんが

本日は
おそるおそる
淡い新緑の青さをあなたに

ゆるさを増してゆく風は
しだいに熱く震えてゆきます

誰も振り向かない
古ぼけた建物の
小さく傾いた影のあいだにも

太陽はもっと自信をお持ちよと
ひとすじの陽ざしを
傾けてくれています

夏の初めとしるして
初夏と呼んでください

そこにいたようで
すぐに過ぎてゆく
微かな季節の光です

去り際のむずかしさを
少しだけ知っている
それだけが取り柄でしょうか

わたくしは初夏と申します

今年初めてをあなたに
そしてこれからをあなたに

本日は
おそるおそる
淡い新緑の青さをあなたに



** MYDEAR/ 新作紹介 掲載**

*どうもありがとうございました*



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真際

2017/05/28 23:42
このよのなかにある
くだらないこと

つまらないこと
むだなこと
どうでもよいこと

なにがなんだか
わからなくなった日には
どこまでもうもれて眠りたい

ゆっくりと動いてゆく
時のさなか

うたた寝から目覚めた
けだるい午後の光にくるまれて
微かに潤んだひふの呼吸音

あちら側へと増した日に
こちら側へと増した日に
揺れては感じてゆく私という真際

伝えてくれる

どちらの際に増してゆくのも
あなたしだいと

このよのなかには
どうでもよいことなんて
ほんとうはなんにもないの

どちら側かへと増していく日に
どちら側でもない真際
そんな真ん中にそっと立って

どちら側に増しすぎても
生きてはいけないこと

何でもないものの
ふりをしながら
教えてくれている時の天秤

澄みわたる光の奥底は
幾度も沈んでは浮かび上がり

日々のひそやかな呼吸音を
水の輪のように織りなしながら

紙一重の広大な日常の中に
語りかけてくる
凛として生きてゆける明暗の真際







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風と光のデシャブ

2017/05/11 00:15
風はやがて春から夏へと移る
長袖のシャツを半袖に
そっと着替えるように

さりげなくさりげなく
感じたままに

机の上に開いたままの眠い小説が
アコーディオンのように
半円をゆるやかに奏でている

開きっぱなしのこの窓は
いつも狭い部屋に
小さな何かを起こしてくれる

高い低いが入り混じっている
反射するビルのグラデーション
霞んで溶けてひとつの街になる

初夏の光が滲みだした
無機質だって輝き出すグラデーション

誰に何も気づいてくれなくていい
すべては生きているという景色の中へ

窓から覗いた景色の風はゆるやかに
流れゆく人波を描いてゆく

眩しい街の太陽へと
そっと立てたひとさしゆび
はちみつ色のデシャブに包まれてゆく

どうしてこんな気持ち
いつか出会った気がするの

日々を生きてゆくって
初めてのことばかりなのに

胸の中に息をひそめていた光
風に吹かれて目覚めてゆく景色
受け継がれてゆく鼓動のさいはて
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ショッパイパンを食べた日

2017/04/29 20:53
目の前
壁もないのに
見えない風にぶちあたってしまう

満たされた
オリジナルな時間を
味わって生きていく希望は

だんだんぼやけて
味気のない毎日へと

今はそんなことから
距離を置いて
違う時間へアンダンテ

休日の時間
いい香りの風に誘われて
誘われるままに

本日開店
ようこそ
焼きたてのパンな毎日へ

サクサクのメロンパンな
時間はいかが

濃厚バターのクロワッサンな
時間はいかが

満たされた瞬間の
広がりだす風の味のパレード

おなかがすくって生きていること
毎日食べたい
色とりどりの時間

目が泳ぐほど並べられた
かなしいくらいのスィーツな時間

だけどなぜか
手にしてしまうのは
ぽろぽろ涙のショッパイパン

シンプルだけど詰まってるんだ
言い表せないくらいのレポート
通り過ぎてきた風の味

おなかがすくって生きていること

ぽろぽろ涙のショッパイパン
かなしい時に味わった
時間のメニュー忘れない

いつもここから始まる
オリジナルなパンの味
透明な香りの中へとアンダンテ

おなかがすくって生きていること

よくばりなくらいおなかすかせて
ふくらんだ太陽のパンを
ひろげた両手でほうばりたい

真っ赤にほっぺたふくらませて
めいいっぱいにね
はちきれそうになるくらいにね











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もうひとつの光

2017/04/16 00:53
風を照らしているのは
春のなだらかな陽ざしか

通りすがりの少女たちの
揺れる長い髪のかたちに似ている

真昼の道はぬくもりを帯びて続く

平行線で続く
両側の広い田畑よ

起こしたての土の香りが
息苦しいほどに春を照らしている

息づくことは光
何かが何かを照らしている

そして生まれたてのぬくもりは
まっすぐにどこまでも続く

見渡すことも光
目に映る全てに春の訪れは満ちる

ぬくもりも光
見渡す人の影も光

大きく息を吸い込みながら春は
真昼の世界を横断してゆく

遠くに映るもうひとつの光
広大な菜の花畑は揺れながら
どこまでも続く春の風を照らしていた








*** MYDEAR/ 新作紹介欄 掲載/ 一部改変 ***

***どうもありがとうございました***











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真冬の質問

2017/03/11 23:44
あたたかいものは何ですか

駅の奥から流れてきた
熱いココアの香り
ゆっくりと風に溶けていった

あたたかいものは何ですか

顔半分が隠れてしまいそうな
真っ白なふかふかのスヌード
足早に過ぎてゆくコートの少女

凍てつくような北風が
イルミネーションの通りを
何度も何度も吹き渡ってゆく夜

あたたかい飲み物も
あたたかい衣服も知っている

誰もみな遠い昔から

なのに人は問いかけてしまう
生きてゆく日々の胸に

どんなにあたたかいものが
街にあふれかえっても
人は探し続けて生きてゆく

本当にあたたかいものは何ですか

あなたのからだがあたたかいのは
わたしのからだがあたたかいのは
どうしてなのですか

街が凍てつけば凍てつくほど
わたしたちのからだは震えて

心が震えれば震えるほど
わたしたちの涙は凍てついて
ぽつりとつぶやいてしまうのです

あたたかいものは何ですか

心の芯からあたためあえるもの
どうかあなたにもわたしにも

願い続けたくなる北風の街
問いかけるたび白くなる息
浮かび上がる真冬の質問










**MYDEAR/ 新作紹介 掲載**
**どうもありがとうございました。**



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