テーマ:日常

言葉の贈り物

貯金箱には これぽっちしかなくて あなたにオルゴールなんて買えない 毎日毎日を過ごすこと 今は正直それが精一杯 私には何もあなたに贈ることができない 耳の中にいつか聴いた オルゴールの音がしてくる ハッピバースデイ 生まれて来てくれてありがとう 窓に映る空のどこかで 大きなオルゴールの螺子が ゆっくり…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

傘を忘れた日

曇り空に迷ったのに 傘を忘れた日 手ぶらの両手に降る 花びらの雨は降る いつしか 雲は切れ間を見せて 光の雨が降る 傘を忘れた日 僕たちは濡れる この春の世界の雨に 僕たちは晴天の空にいると 傘のことも忘れている だけど曇り空になると 急に不安になってくる 君の声がして 手のひらが花…
トラックバック:0
コメント:6

続きを読むread more

ありふれた光の中で

桜の花が咲いたよ あちこちで聞こえてくる 花の色 今年も絶えることなく 生きてゆけた木々の枝に 花の明かりがともる どこにでもありそうな この町の道に ひとが通っている どこにでもありそうな 狭い公園の中で 桜の花が咲いている 風の中で子供が遊んでいる 特別なお花見をしなくても 心は陽だまりに…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

リュックサック

僕の背負っているものは 他の人に比べたら 小さなものかも知れない 知れないけれど 今は他人同士の君と いつか出会った時 このちっぽけなかなしみが やさしさの素に 変わるかも知れないから 忘れそうで忘れない場所に そっとしまって置くよ 少し大人になるたびに 背負うものが多くなって 大き目の…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

夕暮れのトング

よく暖房のきいていそうな ガラス越しの店の奥 木目模様のトレーの上を 行ったり来たり いろんな形のパン いろんな味のパン みんな 光るトングを握りしめて 明朝のための 大好きなパンを選んでいる 自動ドアが開くたび 店先の通りにまで 甘い香りが漂ってくる 焼きたてのパンのような夕日が 通りを並ん…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

おむすびの詩

ともだちの母さんの おむすびは いつも大きすぎる 子供たちが お腹をすかせないように ついつい 大きくむすんでしまうのです ともだちの姉さんの おむすびは いつも小さすぎる たくさんの兄弟が たくさんの数を食べれるように ついつい 小さくむすんでしまうのです なかよしのあの子は いつもおむす…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

花の蕾

抱きしめてあげたい 心凍える時も 坂の上を登り切れば 見えてくる 小さな木 抱きしめてあげたい 心震える時も 小さな木の その花の蕾は じっと春を待っていた どんな時も 折れそうな時も くじけそうな時も 零れ落ちそうな時も それでも待っている じっと春を待っている どんな夏も ど…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

あした春かな

しばらく会えなかった空 雨上がりの青空が 遠くまで滲んでいた 誰かが傘を閉じて ていねいに 水滴をはらっていた まだ 雨の匂いのする軒先 外に置き忘れたバケツの中で うるりうるりと 青空が震えていた ゆきだるまと間違えられる 冬のてるてるぼうず 開けっ放しの窓の隅っこで いつもと違う 温…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

サイダー

自転車を急いで漕いだら ほんの少し 汗ばんでしまう午後 遠くの池から 春の光が見えていた そういえば 自販機の前では ちかごろ迷ってしまう あたたかい飲み物か それとも つめたい飲み物か そんな小さなことだけど 自販機の前に さし込んでくる光が…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

春ちゃん

                                                              . 「今日はあたらしい 家族が生まれた日です」 小さなママが まあるい砂やまに一本 小枝のキャンドルを立てた それはお祝いの気持ち たった今 太陽の光が灯された 砂やまのケーキは …
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

春かくれんぼ

駐車場の端っこで 壁に顔をあてて こどもが目をつむっている 久しぶりの空 春のように晴れた空 ハイツのガラスの窓に さわさわと 太陽がしみこんでゆく まだ溶けていない 日陰の雪も 大きく広がった アスファルトの水溜りも もういいかい もういいかい その声を聞いていた もういい…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

ありったけの春を

                                                                    . どんなに偉い人でも 力の強い人でも 今日の寒さには叶わないよ 気をゆるませれば きっと 寒いって言ってしまう 背中を丸めたっていい 手のひらが痛くなるくらい かじかんだ…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

まくらあかりのもとで

眠るには まだ少し時間のある夜に 灯されるまくらあかり 真夜中のてまえのあかるさに 時は引き戻される 手元の文庫本に挟まれた 読みかけのしるしは 昨年閉まった本屋さんの栞 もう手渡されることもない パステルカラーの栞と ていねいに折られたブックカバー 赤いランドセルの頃から 知っていた 店長さん…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

少しずつ

                                                                    . 昨日まで咲いてなかった 梅の花が咲いていた 少しずつ 少しずつだけど 春は近づいている あてもなく遠回りして 辿りついた 貯水池の周りには 所狭しと 漂う光が群れてい…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

ラーメンの向こうで

                                                                   . ラーメンの向こうで 君が笑っている かけているメガネが もくもくもくもく 白く曇って 湯気のサングラスになる ラーメンを食べる時は かけているメガネに ワイパーをつけたく…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

会いたかった

おはようと 言えることが いつもよりうれしかった 久々に風邪を引いて 一週間 会えなかった君は 通いなれた教室なのに どこか ぎこちなかった 玉手箱をあけたみたいに 君の知らないことも ちょっぴり増えてるし 教科書のページも ちがうところに飛んでる だけど 一番知らなかったことは 君が…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

冬だったね

                                                                  . おかえりなさい 今日も冬だったね 部屋のファンヒーターは 昨年よりも もっと赤く燃えて ごうごうと音を立てています きっと あしたも あさっても 冬 四角い窓の結露も …
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

向かい風のない朝に

昨日までの 厳しすぎる寒さは 今日の日の 暖かさを連れて来る いつもなら 足早に駅へ急ぐ 水も凍る今日なのに 朝一番の歩道で 暖かいねって 白い言葉を交し合っている 鳥の群れが飛んでいる 高い高い 薄氷色の雲の真下 V字になって飛んでいる 昨日までの 凍てつく空を切るように …
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

こもれび

しなやかに指さす枝先が 冬空を編んでいます 図書館の並木道には 赤い葉が零れてゆきます 何にもない毎日だけれど 変わり映えのしない毎日だけれど 過ごすって 暮らすって どんな気持ちの時も 少しずつ どこかに動いている気がするのです 夏の日 あんなに緑の隙間に煌いていた 陽の光はもう見えません …
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

冬が好きだから

寒い朝は いつだって しばらく起き上がれないでいる パンをかじって 服を着がえて 急ぎ足で出かける そんな夢を見て もう一度 あわてながら目覚める 蛇口にはねる水の音さえ 凍てつく朝だけれど コーヒーを入れる音だけで あたたかくなれる そんな冬が好きだから 飲みおえたカップを置いて コートを…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

おみくじの木

久しぶりに見た境内までの道のりは 何も変わっていなかった 山間の緑も 何も植えられていない田畑の 傾いた小さな小屋も 凍てつく地面に しんと広がる 低い緑の中にあった これから 右手と左手を合わしにゆく 寒いから 両手を合わせるのじゃなくって たいせつなことを ねがいにゆくんだ 車両通行止めの縦看…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

おはよう おめでとう

                                                                   リビングのドアを開けて おめでとうって 言うのかと思ったら いつものように 寝ぐせの頭をかきながら君は おはようって言った 新しい年がやって来たのに どこまでも普通の朝で …
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

やっとあえたともだちに

ともだちと あったよるは きまってさみしくなるんだ さっきまでそばにいたのに わらっていたのに わかっているけど はなれてしまうことが なんだかさみしいんだ まちのよるのなか ほしやともしびは ふるふると にじんでひかり つたえたいものを かぎられたじかんのなかで つたえようとしている …
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

あしたあした天気になあれ

遠くに夕焼けが見えた冬の日 凍りつきそうなビルの角を 柔らかく照らしていた 秋でもないのにこんなにも 今日の空が燃えるのは あした天気になあれと 寒さで頬を赤くした子供たちが 灰色の雲を照らしていたから 凍えそうな冬空を染める みんなのあした あした天気になあれ 白い息をはずませながら …
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

一年分のあなた

一冊の本をめくるように 一冊の便箋に綴るように 小さく積み重ねてきたものたちが もうすぐひとつになります 鈴のように笑った一日も どこまでも長い影を見送った一日も てのひらのなかの おもみとなって重ねられてゆきます 一年分のあなたまで あと少し もう少し
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

落日

誰も待っていない 海岸通りのバス停には 今にも千切れそうな 一本の影だけが待っていました 待っていても なかなか来ないバス 停車しても 乗ることのできないバス うまくいかないことが わかっていても ここにいたくなるのでしょうか やがて 無人のバスは 誰もいないバス停を通り抜けて だんだんだんだ…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

透明

いるのかいないのか ときどき人に よくわからないと言われます ときどき透明が怖くなります 交差点を渡る人ごみに紛れて 私はどこかに いなくなるような気がします いるのかいないのか わからない透明に 飲まれてしまいそうで ついつい確かめるように 歩道に力をいれて コッツコッツと歩いてしまいます 渋滞の…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

冬の道に

道端に 赤い落ち葉の切符 ここに 線路はないけれど 通いなれた道が続いていました 四両編成の季節は まもなく冬になります 小さな車掌さんは 相変わらずはみかみやさんで 毛糸の帽子を目深にかぶって お母さんに 切符を売っていました 今年も乗り切れないほど あたり一面に並べられた 赤い落ち…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

十二月の樹の下で

晴れた日の針葉樹から 真昼の光がこぼれている 今年も十二月がやって来た どこかうれしいような かなしいような 街の手で彩られた ツリーのあかりも眩しいけれど いつの日もひっそりと佇んでいる この樹の前に立てば 何よりも一番に メリークリスマスの声を届けたくなる 久しぶりに晴れてよく映る 陽の隙間 …
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

タオル

冷たい水で顔をはねたら 頬打つ空気は澄んで ぼやけていたもののピントが合った ほどよい香りのする 洗いがえのタオルは 朝のための時間を吸い込んでいる 洗濯機の音が さらに朝を呼んで来る 昨日を吸い込んだタオルは 今日に洗われている 太陽が垂直になるまでの時刻 明日のための光に洗われて もう一度掛けられ…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more