春の予告

陽ざしの染み込んだ
カーディガンを
羽織るように
ささやかな風が起こる

まだ寒いから
少しだけ開けた出窓
植木鉢の草花は揺れる

空の神様は
新しい絵の具で
太陽を描こうとしている

とろけるハチミツ色の
バイオリズムは降臨する

やがて宿る光の蒼い芽が
凍てつく根雪の日々に

凍えそうで曇りそうな
小さな窓の十字架に
祈っていた真冬の住人

僕たちは暮らしていた
必ず春が来ることを信じて

眩しい思いに
色づく蕾を膨らませて

握りしめていた言葉
澄みきった空に放ちたい

結び続けてゆく遠い距離を
静かに引き寄せながら
紡いでゆく甘い春の予告






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