余分

君はいつも
人よりも少し大きめのカバン

その細い肩にかけて
今日も一日を歩いてゆく

カバンの中にあるのは
余分なものばかり

だけど
余計なものなんて
その中にはひとつもない

たとえば
もう一人分の絆創膏
もう一人分ののど飴

余計なものなんて
その中にはひとつもない

カバンの中にあるのは
いつか誰かのためのもの

どこにでもありそうな
もう一人分余分なものばかり

だから誰にだって君は
すぐにさしだしてくれる

少し大きめのカバンを開くように
僕にも足りなかったぬくもりを
すぐにさしだしてくれた

細い肩が揺れるたびに
薄れてゆく夏の光
やがて秋に透き通ってゆく

余計なものなんて
この一日の中には何にもない

この空の下にある
笑顔も涙もすべて
歩いてゆく一日に忍ばせてゆく

君だけの温め続けた
もう一人分の余分が
開かれる明日の誰かのための

記憶のぬくもりに変わること
切ない胸に信じ続けて君は
今日もその細い肩にかけてゆく














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この記事へのコメント

2015年09月14日 09:01
eriさん。たとえば もう一人分の絆創膏と もう一人分ののど飴 をカバンのなかにしのばせているなんて。eriさんらしさに溢れる詩ですね。だれもが、そんなやさしさをそっと持っていてくれたらいいですね。

2015年09月15日 00:19
ふーちゃんへ

関西の方では、飴のことをアメちゃんといって、鞄の中に持ち歩いている人も割にいるようです。先日、出先で隣席になったご婦人が、「私、喘息気味で飴を持ち歩いています。よかったら、おひとつどうぞ。」って笑顔で言われました。気持ちが和みました。学生時代、友人にも「まあ、飴ちゃんでもなめて、元気だそか。」なんて言ってもらったことも。ふーちゃんの言われるように、たくさんの人が、こんな気持ちを持ってくれたら、素敵だなって思いました。

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