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真冬の質問

2017/03/11 23:44
あたたかいものは何ですか

駅の奥から流れてきた
熱いココアの香り
ゆっくりと風に溶けていった

あたたかいものは何ですか

顔半分が隠れてしまいそうな
真っ白なふかふかのスヌード
足早に過ぎてゆくコートの少女

凍てつくような北風が
イルミネーションの通りを
何度も何度も吹き渡ってゆく夜

あたたかい飲み物も
あたたかい衣服も知っている

誰もみな遠い昔から

なのに人は問いかけてしまう
生きてゆく日々の胸に

どんなにあたたかいものが
街にあふれかえっても
人は探し続けて生きてゆく

本当にあたたかいものは何ですか

あなたのからだがあたたかいのは
わたしのからだがあたたかいのは
どうしてなのですか

街が凍てつけば凍てつくほど
わたしたちのからだは震えて

心が震えれば震えるほど
わたしたちの涙は凍てついて
ぽつりとつぶやいてしまうのです

あたたかいものは何ですか

心の芯からあたためあえるもの
どうかあなたにもわたしにも

願い続けたくなる北風の街
問いかけるたび白くなる息
浮かび上がる真冬の質問










**MYDEAR/ 新作紹介 掲載**
**どうもありがとうございました。**



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本のお知らせ 「詩誌 回生 (中村正秋 & 小熊昭広) 」

2017/03/07 20:03
詩誌『回生』第き号(通巻39号)が発行されました


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詩誌『回生』第き号(通巻39行)を2017年2月20日に発行されました。紙版、PDFデータ版等、詩誌のお求め方法の詳細は、http://www.poetic.jp/kaisei/ (詩誌回生 ホームページ)をご覧ください








 第き号に参加させていただき、どうもありがとうございました。



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仕組み

2017/03/07 20:02
長い間歩かなかった
古民家通りを歩いていた

なつかしさと
ほんの少しだけの哀しさが
古い樹木の木漏れ日から
届く影のように連鎖してくる

右手には今にも千切れそうな
かすれた和食屋の暖簾が揺れている

左手にはひどくカラフルな
輸入雑貨屋の看板の猫が笑っていた

並列する小さな過去と未来
通り過ぎるまばらな人の足音が
狭い道のカレンダーを刻んでいる

混在する過去と未来の片隅
いつも今っていう時間は
あるようでなくて

だけど何処にいこうと
今何時だって
何が古いとか新しいとか
そんなことどうだって関係なくて

ただいつも仕組まれていない
何かを待っていたい
何かを選び続けていたい

それを今って百パーセント
呼べる自分に出会えたら
愉快に時計の針は踊り始めるでしょう

日常に仕組まれたハヤリよりも
もっと自由に前に後ろに

目の前にある景色の中に
なつかしさにも似た鮮烈な
やさしさの仕組みを感じてみたい

古きを新しきを眺め
立ち止まる古民家通りの人々

何もかもが流れ動く今だから
ほんとうのところは
ここからは何処にも留まれない

手の届かない過去と
手の届く新しさの仕組みに
ゆびさきを甘くしびれさせるだけ

個々にある胸の中の今について
しあわせの仕組みについて
内緒の腕組みしながら過ぎゆく人々よ



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本のお知らせ 「子どもへの詩の花束 」

2017/03/07 16:36
子どもへの詩の花束 小学生のための詩の本
詩選集2016
                                                                                                                                                                    

編集委員
武鹿悦子・新川和江・野呂 昶・吉田定一・左子真由美 


詩の国を探検しよう!




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 小学生のための詩の本



谷川俊太郎、新川和江、左子真由美…。日本を代表する詩人たちから寄せられた、子どもたちの未来へ贈る103の詩の花束。低学年向け・中学年向け・高学年向けの3つに分けて掲載する。【「TRC MARC」の商品解説】
       



詩は読まれることによって、はじめていのちを持ち、いきいきと輝きはじめます。なによりもこの詩集のなかの、ご自分の好きな詩を、子どもたちと一緒に、なんどもなんども読んで覚えてしまってくださることをお薦めいたします。すっかり覚えてしまったとき、その人の感性は、覚えた詩のぶん、ゆたかになっています。

(「あとがき ――学校の先生、お父さんお母さん方へ」より












出版社: 竹林館
サイズ: 単行本
ページ数: 160p

                                          ☆ネットショップからでもお取り寄せできます。











☆参加させていただき、ありがとうございました。 (言葉の鳥)
               




                                 



                              
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カ・タ・コ・ト

2017/03/05 18:45
なぜ僕がこの国に生まれて
この国の言葉を話しているかなんて
僕本人にだって全くわからない

異国の地に生まれた君の
僕の国の言葉のカタコトが
あやふやなままに耳に響いてくる

僕たちは昔
何もわからないまま目を開き
何もわからないまま生まれ落ちた

手渡された地図だって鍵だってない
飽和された日常の並列を
てさぐりしながら
明日を想うことばかり繰り返してきた

一つの言葉が一つの言葉と溶け合う時
ただ繋がるだけじゃなくって
新しいものが生まれる気がした

君の国と僕の国
生まれてきた今までのお互いのこと
繰り返してきた明日を想うこと

別々だったけど知っている
みんな行き着く先は同じだってこと

だけどそれだけじゃ終われないってことも
僕たちはなんとなく知っている

日々の風が織りなす
見慣れた道や空を循環する
離れてぼんやりとしている終わりへの途中

ほんの少しだっていい
その時々を分かち合いたいって
想ってしまう人という無意識のかたち

出会いっていう偶然がもたらせてくれる
新しい奇跡のような体温の波動

明日を想うこと
ずっと今までたった一人で
繰り返してきたものを
互いの言葉を超えて重ね合えること

どうぞこの手でふれさせて
どうぞあたたかく

どうぞこの耳できかせて
どうぞおだやかに

君の国 僕の国
互いの日々のカタコトを紡ぎあいながら
ほどいてゆくありのままのかたち

もはや何かで包み隠されたものは
そこには微塵もなく
ただとつとつとあかあかと

ただ今はどこからかそこはかとなく
うつくしいぬくもりだけが
互いに繰り返される想いに伝わってくるだけ





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POEM*ANDANTE 2017年3月のブログ記事/BIGLOBEウェブリブログ
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